CALERA Jensen Vinyard(カレラ・ジェンセン・ヴィンヤード)

CALERA Jensen Vinyard(カレラ・ジェンセン・ヴィンヤード)

今や入手困難なカリフォルニアのロマネ・コンティの異名を持つCalera Wine Companyのフラッグシップ「ジェンセン・ヴィンヤードJensen Vinyard」の魅力をご紹介します。希少なヴィンテージのテイスティングレポートもお届けします!

カレラ(Calera Wine Company)について

創業者であるジョシュ・ジェンセンMr.Josh Jensenはアメリカのエール大学(イェール大学)を卒業し、その後イギリスのオックスフォード大学へ留学しました。そこでワインの魅力に引き込まれ本場フランスに渡仏。

ブルゴーニュ地方の超名門ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティDomaine de la Romanee-Contiで栽培技術を、ドメーヌ・デュジャックDomaine Dujacで醸造技術を学びました。

そして、1971年、ブルゴーニュに負けないワイン造りを目指して母国アメリカへ帰国。約2年の月日を費やし、ピノノワール造りに最適な冷涼で石灰質を多く含んだ土地をセントラルコーストはサンベニートにあるマウント・ハーランの地に見つけ出しました。
このマウント・ハーランという土地は平均標高2200フィートの高さで、太平洋からモントレー湾の海岸を通る冷たい空気によって冷却されるため、ブドウ栽培には必要不可欠な冷涼さが保たれているのです。

カレラ(Calera Wine Company)のロゴそして、1974年に石灰岩の採石場跡地に土地を購入し、Calera Wine Companyを創業。Caleraとはスペイン語で「石灰岩でできた焼窯」を意味するそうで、同社のロゴには焼き窯の絵が使われています。

ジョシュ・ジェンセンが造るカレラのワインとは

1975年、自社畑での栽培はピノノワールを24エーカー3区画にセレック・ヴィンヤードSelleck Vineyard(5エーカー)、リード・ヴィンヤードReed Vineyard(5エーカー)、そしてジェンセン・ヴィンヤードJensen Vineyard(14エーカー)でスタートしました。

栽培を始めた当初は、ブドウが出来るまでの間、購入したブドウからジンファンデルを生産していました。その後、1983年にヴィオニエ、1984年にシャルドネを植え始めました。

更に同年には4番目のピノノワール区画、ミルズ・ヴィンヤードMills Vineyard (12エーカー)を植えました。

カレラ(Calera Wine Company)の自社畑のマップ参照元:Calera Wine Company

カレラでは、GRAVITY-FLOW SCHEMATICと呼ばれる方式で、機械を使わず自然の重力によってワイン造りのフローを実現させています。
これにより、ブドウに余計なストレスがかからず、最高品質のワインが出来るという方式です。

GRAVITY-FLOW SCHEMATICと呼ばれる方式の図参照元:Calera Wine Company

カリフォルニアのロマネ・コンティ「ジェンセン・ヴィンヤードJensen Vinyard」とは

カレラのフラッグシップであるジェンセン・ヴィンヤードのワインは、ジョシュの父親であるスティーブン・ジェンセンにちなんで命名されました。

この畑からは完璧なまでにバランスの取れた、豊かで、丸みのある、長期熟成に適したワインが造られます。※1979年がファーストヴィンテージになります。
そして、カレラ・ジェンセンには数々の伝説があります。

伝説 その1
ニューヨークタイムス紙が企画したブラインドテイスティングで、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ社をはじめとするブルゴーニュの名門を打ち破る快挙を達成しました。まず、各グループを設定し、そのどのグループにおいても一番最初にカレラが投票されました。

Pinots Noirs, 1997 Group
Mills Vineyard Pinot Noir, Calera; Musigny, Cuvée Vieilles Vignes, Comte de Vogüé; Reed Vineyard Pinot Noir, Calera; Richebourg, Domaine de la Romanée-Conti.

Pinots Noirs, 1990 Group
Nuits-St.-Georges aux Lavières, Domaine Leroy, and Mills Vineyard Pinot Noir, Calera (tied for first); Musigny, Cuvée Vieilles Vignes, Comte de Vogüé.

Pinots Noirs, 1985 Group
Échezeaux, Domaine Mongeard-Mugneret; Selleck Vineyard Pinot Noir, Calera; Mazis-Chambertin, Domaine Maume; Reed Vineyard Pinot Noir, Calera; Clos de la Roche, Domaine Pierre Amiot & Fils.

Pinots Noirs, 1989 Group
Clos de la Roche, Domaine Dujac; Jensen Vineyard Pinot Noir, Calera.

Pinots Noirs, 1996 Group
Jensen Vineyard Pinot Noir, Calera; Selleck Vineyard Pinot Noir, Calera; Grands Échezaux, Domaine de la Romanée-Conti; Charmes-Chambertin, Domaine Dujac.

参照元:The New York Times

伝説 その2
「世界のトップ100ワイナリー」の1つとして米国有名雑誌Wine & Spiritsから4回称賛され、かの世界的に影響力のあるワイン評論家ロバート・パーカーはカレラを「カリフォルニアのロマネ・コンティ」と呼び絶賛しました。
伝説 その3
漫画「ソムリエ」(原作:城アラキ、漫画:甲斐谷忍、監修:堀賢一。集英社の雑誌MANGAオールマンに連載)にて、第6話のブラインドテイスティングで主人公がロマネ・コンティを連想した事から注目を集めました。
ちなみに、監修を務める堀賢一氏は業界でも有名な日本のワイン研究家です。
伝説 その4
ジェンセン・ヴィンヤードに植えられた最初の苗木は、ジョシュがロマネ・コンティで働いていた時に持ち帰ったものであるという説があります。
※但し、その真意は定かではありません。

こうしてカレラ・ジェンセン・ヴィンヤードのピノノワールは「カリフォルニアのロマネ・コンティ」と呼ばれるようになったのです。

ワイン専門誌「ワインスペクテーター」の表紙

参照元:Wine Spectator

そして2013年10月ジョシュ・ジェンセンは世界的な影響力を持つワイン専門誌「ワインスペクテーター」の表紙を飾るまでになりました。

そこにはこんなキャッチコピーが記されていました。

「Pinot Pioneer Josh Jensen Made His Dreams of Burgundy Come True in California」
日本語訳:ジョシュ・ジェンセンはブルゴーニュの夢をカリフォルニアで達成した。

Calera Wine Companyの現在

2017年、70歳を超えたジョシュ・ジェンセンは3人の子供がワイナリーを継ぐ意思が無いと分かり、親交のあったナパのDuckhorn Vineyardsへワイナリーを売却しました。

ジョシュ・ジェンセンはDuckhorn Vineyardsと4年間のコンサル契約を結び、引き続きカレラのワイン造りに参画するそうです。ワイナリー経営に潜む後継者問題は今後も増えてくる事は容易に想像できますね。

テイスティング・レポート

Calera Jensen Vinyard 1992 vs 2004 ~27年の熟成と15年の熟成を飲み比べ
2019年8月22日

カレラ・ジェンセン・ヴィンヤード(Calera Jensen Vinyard) 1992と2004の飲み比べ

香りはピノノワールならではのイチゴやラズベリーのような果実が感じられるものの、ジェンセンの熟成特有の形容し難い複雑なニュアンスが印象的。

2004年は既にこの特有な熟成感が出てはいるが、1992年まで熟成が進むと果実味とミネラル感が奇跡の変貌を遂げ、上質なブドウの出汁を口にしているかのような味わい。熟成して本領発揮するタイプであると確信。

Calera Jensen Vinyard 1987 magnum bottle ~32年の時を経て
2019年8月27日

カレラ・ジェンセン・ヴィンヤード(Calera Jensen Vinyard)1987のワインジェンセン・ヴィンヤードは32年の熟成を経ても枯れることなく、様々なパワフルな要素が凝縮され、長い余韻に変わるような印象を受けました。

おそらくまだ数年は熟成によってポテンシャルが発揮されると予想されます。カリフォルニアのピノ・ノワールでここまで長期熟成に耐えうるのは非常に珍しく、見事としか言いようがありません。当編集部の見解では、1992年よりも1987年の方が高評価でした。

Calera ZIN 1978 ~Calera Wine Company創設時の幻のワイン
2019年9月6日

ジン(ジンファンデル)1978年のハーフボトル375mlカレラの創設者ジェシュ・ジェンセンが自社畑で最初のピノ・ノワールを収穫するまでの間は、外部から黒ブドウ品種「ジンファンデル(米国ではジンとも呼ばれる)」を購入し、ワインを造っていました。

今回当サイト編集部では、当時のジン(ジンファンデル)1978年のハーフボトル375mlを入手する事が出来ましたので、この貴重なワインのテイスティングレポートをお届けします。

SWEET LATE HARVESTという事で非常に残糖度が高い印象を受けました。また、40年以上の熟成を経ている事もあり、ブランデーのニュアンスが強く感じられ、残糖の甘さと合わせて酒精強化ワインのような味わい。

Caera Zin Zinfandel Table Wine1977年のワイン参考までに2016年にCALERA ZIN(SWEET LATE HARVESTでないもの)を飲む機会がありました。

こちらは糖度は高くなく熟成感の強い味わいでしたが、ギリギリ飲み頃の範囲内という感じで、決して枯れてはおらず非常に高評価でした。

カレラ ジェンセンの購入はこちら

※画像などの使用に問題がある場合、お手数ですがお問い合わせよりご連絡ください。

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ABOUTこの記事をかいた人

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
カリフォルニアワイン協会認定資格 California Wine Certification Program Level 2

2011年よりカリフォルニアワインのバックヴィンテージを追求。 ナパバレー、ソノマに足を運び数多くの名門ワイナリーを訪問。 主に海外のワインオークションで希少なバックヴィンテージを調達。

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